グリーンデイ傑作曲①:Basket Case

Green Day - Basket Case [Official Music Video]

メジャーデビューを果たした3rdアルバムの「ドゥーキー(Dookie)」に収められた1曲。
リリース後、モダン・ロックチャートで5週連続1位に輝いた"Basket Case"は、グリーンデイを一躍メジャーな存在とし、グリーンデイの代表曲ともなっています。
彼らのライブでも定番の曲となっています。

タイトルのバスケットケースは、無気力な人を意味しており、情緒不安定な人やノイローゼ、精神異常といった意味も含んだスラングになります。
歌詞の中では 「自分は病気なのだろうか」と自問する箇所もあり、ミュージックビデオでは、グリーンデイのメンバーが病棟で治療を受けるシーンもあります。

グリーンデイのヴォーカルであり "Basket Case" の作詞・作曲を担当したビリー・ジョー・アームストロングは、制作当時、自身がパニック障害を患っており 「この曲を作ることが、自分の身に何が起きているのかを知るためにできる唯一のことだった」と後に語っていたのでした。

グリーンデイ傑作曲②:Longview

Green Day - Longview (Video)

"Basket Case" 同様、3rdアルバムの「ドゥーキー(Dookie)」に収められた1曲で、モダン・ロックチャートで1位に輝いた "Longview" は、こちらもGreen Dayを代表する1曲であり、ライブでも定番の曲となっています。

アルバム「ドゥーキー(Dookie)」には、若者にありがちな将来への不安、葛藤、無気力を歌った曲が多く収められており、"Longview"においても、無気力さや将来への不安が垣間見れる曲になっています。

タイトルの"Longview"は、アメリカ・ワシントン州の南部にある街の名前になります。
この曲を始めて披露したのが、ワシントンのLongviewであったことからつけられたタイトルだと、ヴォーカルのビリーによって語られています。

曲の制作者である、ビリー・ジョー・アームストロング自身は、カリフォルニアのロデオという街で育っており、何もない退屈な街だったと語っています。
そんな退屈な日々の中で無気力化する自身について歌った曲であると思われます。

グリーンデイ傑作曲③:American Idiot

Green Day - American Idiot [OFFICIAL VIDEO]

アルバム製作中に起きたイラク戦争に対し、反対の意味を込めて作られたアルバム"American Idiot"に収録された曲になります。
アルバム"American Idiot" は 「反戦」をテーマとし、アメリカやイギリスで1位を獲得しました。

また、この曲は、日本では、F1グランプリのテーマ曲としても使用されました。

曲の中では、いくつかの放送禁止用語が含まれているため、テレビで流されるときには、一部の音声を消すことが行われています。
また、トランプ氏の大統領選挙の際は、放送禁止用語の歌詞を "Trump"に変えて、MTVミュージックアウォードで披露していました。
これは、反トランプ政権を意味し、トランプ政権発足後、ビリー・ジョーは改変した歌詞のまま歌い続けています。

ちなみに、イギリス国内では、トランプ大統領のイギリス来訪に合わせて、"American Idiot"の売り上げが十数年ぶりに伸びるという現象が起きました。

グリーンデイ傑作曲④:Minority

Green Day - Minority (Video)

アメリカのモダンロックチャートで5週連続1位を記録したこの曲は、6枚目のアルバム「ウォーニング」に収録されています。

曲中に流れるアコースティック・ギターの音色がなんともいい "Minority"
タイトルの意味は 「少数派」を意味し、周りにとがめられながらも、自分の道を大切にしたい、人と同じにできないけれど、それが自分なんだと精一杯、曲中で表現しています。

また日本では、Jリーグクラブ、サガン鳥栖のチャントとしても使用されていた為、多くのサッカーファンにとっても馴染みのある曲ではないでしょうか。

グリーンデイ傑作曲⑤:In The End

In The End - Green Day + Lyrics

"Basket Case" "Longview" といったグリーンデイの初期代表曲と同様、アルバム "Dookie"に収められた1曲です。
同時期に作られた曲ということもあってか、"Basket Case" "Longview" のようにテンポの速い軽快な曲調で、グリーンデイらしさが存分に表れています。

とある男性と思われる人物に対し「好きではない」と歌っているこの曲ですが
具体的にその人物が誰なのか、自身を客観的に見ているのか、はたまた、誰か別の人物なのか
解釈が困難な曲となっています。

"In The End"という全く同じタイトルの曲がLinkin Parkからもリリースされているため
しばしばファンの間で比較されますが、当然ながら全く曲調も異なる2曲です。

グリーンデイ傑作曲⑥:21 Guns

Green Day - 21 Guns [Official Music Video]

グリーンデイの中ではめずらしいバラード調の曲です。
8枚目のアルバム 「21世紀のブレイクダウン」 に収録されています。

ミュージックビデオでは、グリーンデイの演奏と共に、銃弾が飛び交うシーンや男女のカップルのシーンが登場する凝った作りとなっており、MTV Video Music Awardsで最優秀ロックビデオ賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞を受賞しています。

2009年のアメリカ映画 「トランスフォーマー: リベンジ」 の挿入歌としても使用されています。

曲のタイトル "21 Guns"ですが、各国の要人を迎える際、お祝いの意味を込めて空に放つ礼砲(空砲)の数を意味します。しかし弔砲として葬儀の際に空砲を行う事もあります。
この曲では、後者を意味し、戦争で亡くなった人に対する弔砲であると解釈されています。
また、American Idiot 同様、反戦の意味を込めて制作されたと見られています。

グリーンデイの魂がたっぷり詰まった曲

ロックでは、若者の葛藤を表現し曲中でフラストレーションを爆発させる一方で、静かなバラードの曲まで手掛けるグリーンデイ。
多くの曲が、スピード感があり明るい曲調でありながら、内面に潜む不安や疎外感、精神不安定といったネガティブな部分を表現しており、曲調と詩のギャップが大きいのも特徴です。

F1やJリーグでもグリーンデイの曲が採用されており、日本でも多くの人が耳にしたことがあるでしょう。
メロディを聴いたことがある、という方は、ぜひこの機会に歌詞やミュージックビデオにも目を通し、グリーンデイをより深く知っていただければと思います。

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